システム開発では、関係者の判断を待って進める場面が少なくない・・・と思う
仕様、レイアウト、運用フロー・・・
こちらでコントロールできない「変数」が多いプロジェクトほど、ストレスやリスクも増えるものです。
今回は、あるプロジェクトで
相手の判断を待ち続けた結果、遅延と責任問題に発展した
という私の実体験を通して、プロジェクトを前に進めるために大切な考え方についてお話しします。
決まらないIFレイアウトを待ち続けた日々
あるシステム開発プロジェクトで、外部システムとの連携用にIF(インターフェース)レイアウトを先方に決めてもらう必要がありました。
こちらとしては早く開発に取り掛かりたかったものの、肝心のIF仕様が一向に確定せず、やむなく他のタスクをやりくりしながら待つ日々が続きました。
しかし、結局そのレイアウトが決まらないままプロジェクトのスケジュールは後ろ倒しに。
遅延が表面化したタイミングで顧客に報告したところ、
「それは本当にベストエフォートだったのか?」
と厳しい指摘を受け、開発側として責任を問われることになったのです。
「仮でも決めて進める」ことの大切さ
その時、私は痛感しました。。。
相手が決めてくれないから進められない」というのは、免罪符にはならない。
たとえ実際に相手の判断が遅れていたとしても、何も打ち手を取らずに“待ちの姿勢”でいた自分たちの判断もまた、結果的にプロジェクトの停滞を招いていた・・・というのが当時の反省です。
それ以来私は、
- 不確定な要素(=変数)を放置しない
- 仮で決める → 期限までに決まらなければその仮を決定事項として扱う
- その決定に異論がある場合は、先方からの正式な指摘・変更提案を待つ
という“攻めの姿勢”を意識するようになりました。
「進めながら調整する」覚悟を持つ
もちろん、「仮で決める」ことにはリスクもあります。
しかし、判断が出るまで何もしないという選択肢のほうが、リスクが大きいことをこの経験で学びました。
完璧な前提条件がすべて揃ってからスタートできるプロジェクトなど、現実にはほとんど存在しません。
だからこそ、進めながら考える・調整する覚悟が必要であり、判断を後ろに押し付けず「とりあえずでも前に進める」行動力こそ、プロジェクトの命運を分けるのだと思います。
おわりに
今回の失敗は、私にとって苦い教訓でした。。
どれだけ努力していても「見える行動」として残らなければ、責任だけが降りかかってくることがあります。
相手の判断を待つのではなく、自分たちで仮にでも決めて進める。
不確定な要素を放置せず、状況を動かす。
そんな「主体性あるプロジェクトマネジメント」が、トラブルを未然に防ぎ、信頼を勝ち取る要因の一つになるかと考えています。