SIerとして、これまでいくつものプロジェクトに携わってきました。
その中でも、プロジェクトの立ち上げや体制構築がうまくいき、スムーズに回り始めたときの達成感は格別です。
この体制でうまく回っている!という実感は、まさにSIer冥利に尽きるものがあります。
しかし同時に・・・・
どれだけ強固な体制を築いたとしても、顧客の意思によって体制が縮小されたり、解体されたりする可能性があるのも現実です。
プロジェクトである以上、有期なのは仕方がないのですが。。
一緒に育ったメンバーを手放すことの重さ
プロジェクトとともにスキルを磨き、成長していったメンバーを、状況によりリリースせざるを得ない場面は、本当に歯がゆいものです。。
プロジェクト終了や体制縮小は、避けがたいこともありますが、それでも私はできる限り、前広に(=早めに)見通しを共有することを大切にしています。
できるだけ早く情報を伝え、次に向けた準備期間を長く確保できるようにすることで、メンバーにとってのダメージを最小限に抑えたいという思いがあります。
現実はコントロールできないことだらけ
とはいえ、すべてが思い通りにいくわけではありません。
顧客側でも突発的な事情で方針が変わることはよくありますし、リリースのタイミングもコントロールしきれない場合があります。
また、空いた人員を他のプロジェクトに異動させるという選択肢もありますが、それは・・・
「人」を「コマ」として扱ってはいけないという前提のもとで考えるべきだと思っています。
必要なスキル、相性、タイミングなど、簡単にパズルのようにはまるものではありません。
適合しないまま配置してしまえば、期待と現実のギャップに苦しむのは当人であり、受け入れ側であり、プロジェクト全体です。
「体制計画」と「人への敬意」
だからこそ私は、体制計画はできる限り精緻に組み立て、そして関係者には前広に共有することが大事だと考えています。
特に相手が協力会社様である場合、事前に先の見通しを伝えることで、準備のしやすさや信頼にもつながります。
何よりも大事なのは、
メンバーを「人」として見ること。
単なる労働力でも、ただの数字でもない。
目の前にいるのは、それぞれの人生を背負って現場に立ってくれている、一人ひとりの人間です。
まとめ:人を動かす仕事だからこそ、大切にしたいこと
プロジェクト体制の構築やマネジメントは、SIerにとっての大きな役割であり、やりがいのある仕事だと思っています。
でも、人を動かす仕事だからこそ、時に割り切れない感情や葛藤がつきまとうのも事実です。
実際の現場では、ビジネスの観点からドライな采配をすることは多いです。
だけど、根っこの部分で大冊にしている考えは、
「メンバーはコマではなく、人。敬意をもって接すること。それが何よりも大切。」